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16…ただいまが言いたくて #2(指先の記憶 まり様)

二口吸っただけでまだ長いタバコを灰皿に押し付け、蓋を閉めて部屋に入ろうと振り向いたら、レースのカーテン越しに人影が揺れた気がしてびくりと後ずさる。



「あっ」



向こうもびっくりしたみたいで小さな声を上げて、同じように後ずさった。



「びっくりした~、そんなとこにいたんですか。」



「びっくりしたのはこっちだよ。おまえ仕事じゃなかったのか?」



そこには、おれの頭の中にずっと住み着いて離れることのない、逢いたくて逢いたくて仕方なかった愛おしい人の姿があった。



「先週イベントで休みがつぶれたから、明日代休もらったんですよ。」



「今日もどこかでステージ立ってたんだろ?」



部屋に入って窓を閉め、ついでにカーテンを引く。



「ええ、がんばってきましたよ。」



おれに返事しながらキッチンに向かったチャンミンの両手には、エコバッグがひとつずつぶら下がっていて、どうやら食料品を仕入れてきてくれたらしい。



明日はチャンミンの手料理が食べられるのかと思うと、それだけでよだれが湧いてきそうだった。



「食事は済ませたんでしょ?」



「うん、85の連中と食ってきた。おまえは?」



「食べましたよ。もっと遅くなると思ってたのに、ずいぶん早かったんですね。」



「まあな。」



まるでいつもと同じ調子で続く会話が心地いいけど、どこかもどかしい。



こんなことが言いたいわけじゃない。



こんな言葉が聞きたいわけじゃない。



「チャン」



「ユノ、」



長い脚で大股におれのところに戻ってきたチャンミンに抱きしめられて言葉を飲み込む。



「やっと、やっと戻ってきてくれた。これからはぼくが休みの日にはいつでも会えるよね?」



「ああ、ここで待ってる。だからおまえはここへ帰ってこい。いいな?どこにも行くなよ。」



「ユノ。」



いつもはイヤがるくせに、おれの頬を両手で挟んで、まだタバコ臭いだろうおれの唇がチャンミンの大きな口に覆われる。



上唇を食んで、下唇に吸いついて、おれの舌を誘うように口を開き、漏れ出た吐息が頬に熱い。




ピチャピチャと音を立てて絡む舌、チュップチュッと啄む唇。



体は昂ぶり、頭の芯はしびれ、次第に敏感になっていく。



背中に回された手のひらの温もり、抱きしめる腕の力強さ、押しつけられた下腹部の硬さ、そのすべてが愛おしい。



ふいに唇が離れて、名残を惜しむ間もなく、手を引かれて寝室に向かい、ベッドサイドに立たされた。



「待てよ、風呂入りたい。」



「ヤダ。散々待ったんだ、もう待てない。」



「けど」



「いいから」



潔癖症に近いほどきれい好きなチャンミンにしてはめずらしい性急さで、おれの衣服を剥ぎ取り、自分も脱いで、ふたつのカラダはベッドで折り重なった。



チャンミンがいいなら、おれは否も応もない。



誕生日休暇以来ずっと逢えなかった分、ひとまずはたまった熱を放出することに夢中になった。












つづきはこちら→#3
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2017/04/05 (Wed) 22:44 | # | | 編集 | 返信

@-し○○○さんへ

コメありです!×2

そうなのぅ
実は私、リアルベースでこういうシーン具体的に書くの初めてなのぅ(*´艸`*)
パラレルでも、ドヤユノさんがリードすることが多いからね。

ユノさんを「ユノ」って呼んだ時点でスイッチ入ってるのがわかります。

ユノさんがいることに気づいたときに、買ってきた食料品放り出してスイッチ入らないのが、私の中のチャンミンさんなんです(笑)

2017/04/05 (Wed) 23:14 | まり #- | URL | 編集 | 返信

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