See more details
Title List

1…69 #1 雪・月・花 (~From.Sweet Drops~ 葉月様)

『69』


君と出逢って14年。

長いようで短い。

とはいえ、人生の半分以上を君と過ごしている。

ケンカしたこともあった。

口を利かないことも。

でも、気づくと隣に君がいてくれた。

何も言わずとも、寄り添ってくれた。

落ち込んでいるとき、涙しているとき、笑っているとき。

いつでも君がいてくれた。

君に特別な感情を抱くのは至極当然のことだったように思える。

だって君は、もうひとりの自分だから。

もしくは、半身。

君なくして生きていくことはできない。

たとえ怒られたって、叱られたって。

離れるという選択肢はない。

この先、二度と。

君自身がオレの帰るべき家だから。

唯一無二の人だから。

どんなことでも君となら乗り越えていく。

いままでそうしてきたように。

だから、迎えに行くよ。

逢いに行くよ。

これからの人生を君と一緒に過ごすために。

一緒にいたいんだ。

どんな時も。

辛い時も楽しい時も、すべて君と分かち合いたい。

そのために頑張ってきたのだから。

君と何度も、肩を並べて歩いた道を歩きながら君との思い出を辿る。

交わした言葉、君の笑顔。

すべて脳裏に焼き付き、色あせることなくオレの中にある。

でも…。

やっぱり、ちょっと寂しかったかな?

2年なんてあっという間だと思っていたけど、やはり別々に過ごす時間は長くて。

何度帰ろうと思ったことだろう。

毎日君を思い出して、切なくなって。

泣いた日もあったっけ…。

それも、数えられないくらい。

ちょっと笑える。

男のくせに情けないって。

どんだけだよって。

わかってはいたんだけど、想像以上。

オレの大部分を君が占めていた。

自分で決断したことなのに。

バカだろ?

ホント、救いようのないバカ。

こんなバカだけど、いい?

その答えをいま、聞きに行くから。

待っててくれるといいな…。

期待半分、不安半分。

でも、もうこれ以上はムリ。

離れてなんかいられない。

だから…。

「チャンミン」

そこは思い出の場所。

ふたりで幾度となく待ち合わせたその場所に、君はいた。

呼びかければふわりとほほ笑む。

記憶の中の君と寸分違わぬ微笑みを携えて。

「ずいぶんと遅い凱旋ですね。もう帰ろうかと思ってたところです」

「そんなこと言うなよ…」

相変わらずだ。

2年という月日が流れても、君は変わらない。

やっぱり、チャンミンはチャンミンだ。

「勝手に渡米決めて、勝手に待ってろとか言って」

「悪かったって」

チクチク、チクチク。

言葉の刃が心に突き刺さる。

せっかくの再会だっていうのに、針のむしろだ。

もっと、感動的な再会を期待してたのに。

「ちゃんと2年で帰ってきたろ?」

「結果が伴ってなければ2年間を棒に振ったのと同じでしょう?」

「チャンミナ~…」

もしかして、嬉しくないのか?

オレのことなんか待ってなかった?

とっくにオレのことなんか忘れていた?

だとしたら、ものすごくヘコむ。

オレなんか思い出さない日はなかったのに…。

「で、結果は残してこれたんですか?」

「当たり前だろ?オレを誰だと思ってんだ」

「バカユンホ」

「…」

コイツ…。

そりゃバカだよ。

チャンミンに比べたら。

っていうか、チャンミンを基準にしたらほとんどの人間がバカになると思う。

「冗談ですよ」

「冗談になってねぇ」

すっかりテンションが下がってしまった。

なのに、チャンミンは楽しそう。

全然楽しくないし。

「拗ねちゃったんですか?」

「拗ねてない」

「そんなほっぺた膨らまして、唇尖らしてるクセに?」

「…」

これはもう無意識。

仕方ないじゃないか。

すぐ思ったことが顔に出てしまうのは、昔から。

チャンミンだってわかっていること。

それでも、チャンミンを嫌いになることはできない。

好きすぎてどうしようってカンジだ。

だから、余計に面白くないんだ。

弄ばれているみたいで。

いや、それすらいまさらなんだけど。

悶々としていると、不意に唇に柔らかいものが触れた。

目の前にはチャンミンのドアップ。

「…っ」

キス、されている。

認識すると同時にかーっと全身が熱くなった。

燃えるんじゃないかって言うくらい。

溶けちゃうんじゃないかって言うくらい。

「チャ、チャンミンっ」

誰かに見られたらどうするつもりだ!?

慌てて突き放してみたけど、チャンミンは薄く笑うばかり。

「キスしてほしいのかと思って」

そりゃ、さ…。

したくないとは言わないさ。

っていうか、言えない。

ずっとチャンミンに触れたかったし、触れてほしかった。

「ユノ」

「なんだよ」

「もう、ずっとこっちですよね?」

さっきとは少し違う雰囲気。

この顔、知ってる。

いつも飄々としていて、本心をなかなか見せてくれないチャンミン。

オレは、わかる。

わかるようになったっていうのが正解だけど。

頷けば、かすかに笑みが浮かぶ。

「家は?もう決めてあるんですか?」

かぶりを振れば、そっと手を引かれた。

手をつなぐのも久しぶり。

なんか、止まっていた時が動きたしたみたいだ。

「まだ」

だって、帰ってくることしか考えていなかった。

早くチャンミンに逢いたくて。

荷物はまだ船の上。

その間に行先を決めればいいやと思って。

「チャンミンと選べばいいと思って」

「…」

あれ…?

無反応…?

もしかして、チャンミンはオレと一緒に暮らすつもりなかった?

オレ、てっきりそのつもりでいたんだけど…。

「ペットボトルのふた、閉められるようになりました?」

「え?」

「靴のひもは?ちゃんと結べてます?」

「は?」

「料理は?少しくらいまともにできるようになりました?」

矢継ぎ早な質問に、脳がなかなか理解してくれない。

いったいなんの話だ?

オレがバカだからってワケじゃないよな?

さっぱりチャンミンの意図が見えない。

いったい、どう答えりゃいいんだ?











つづきはこちら→#2
--------
今回はお忙しい中ご協力ありがとうございました!!
素敵な葉月さんのブログはこちら→雪・月・花 ~From.Sweet Drops~(葉月様) 







<*ランキング*参加中。
↓ミンホミンホ!ポチっと押して応援宜しくお願い致しますm(_ _)m

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
*Esperanza*チカ*presents
関連記事

COMMENT

POST COMMENT

(設定しておくと後でPC版から編集できます)
非公開コメント