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14…僕のそばにいてほしいんだ (TIGER &CHOCOLATE セキ様)

突然、明後日からもらった3日間の休暇。
 「明日からどこか小旅行でも行かない?」
ユノヒョンにそう言われたのは次の日。
 「明日、キュヒョンたちと飲み会なんです。」
そう答えたのは、ユノヒョンの言葉の5秒後。
 「そうか…。」
ユノヒョンのちょっと残念そうな表情。その表情を見て、「やっぱり一緒に行きましょう。飲み会はいつでも行けますから。」て言うことができれば良かったのに。
僕はその時には休みの嬉しさから、そんなことを考えることができなかったのだと思う。

休み、1日目。
キュヒョンたちと夜に飲み会に行った。すごく楽しかった。
その日の夜は、ずいぶん遅くまで飲んだ。
気分が良くて、ユノヒョンにチョコレートのかかったドーナツを買った。
 (明日ユノヒョンと出掛けようかな。)
そんなことを考えながら家に帰った。

休み、2日目の朝。
ユノにカカオをした。
既読にならない。
 (まだ寝てるのかな。)
昼前。
既読にならない。
 (スマホを持たずに出掛けたのかな?)
すぐに戻ってくるだろうと、僕は、ドーナツを持ってユノヒョンの家に向かった。
マンションに到着して、チャイムを鳴らす。ユノヒョンは出てこない。
想定していたことなので、暗証番号を入れて合鍵を使って、エントランスを進む。
部屋の前でもチャイムを鳴らしたけれど、やっぱりユノヒョンは出てこない。
僕は、鍵を開けて中に入った。

ユノヒョンの部屋はわりと整っている。
ユノヒョンは基本的に昔から何も変わらないけれど、少しずつ生活スキルが上がっている。
昔は、料理だって洗濯だって食器洗いだってまともにできなかった。それが、数年前からなんだかんだと、できるようになった。
一番苦手な掃除だって、今はできているようだ。
僕は、ドーナツをリビングのテーブルに乗せた。どうやら、長時間、部屋にいないようだ。ユノヒョンの香りがいつもよりしない気がする。
ふと、テーブルの上に置いてある雑誌に目が止まった。
 「え…?」
その雑誌は、一泊旅行をテーマにしたもの。
僕は、それを手に取る。パラパラとめくると、いくつかのページの端が折り曲げられている。
 「まさか…。」
ユノヒョンは、本当に僕と旅行に行こうって思っていたのだろうか…。ユノヒョンの寂しそうな表情が思い出される。
 「ヒョン…。」
僕は立ち上がって、ユノヒョンの寝室に行った。
 「ない…。」
ユノのお気に入りの小さめのボストンバック。ちょっとした旅行の時にはいつも持っていた。いつも置いてあるところにない。
まさか、今まさに旅行に行っているのだろうか…。そうなると…。
 「誰かと一緒に…。」
ユノヒョンは寂しがりだ。基本的に一人で行動はしない。
もしかしたら、昨日から誰かと、泊りで出掛けているんじゃないだろうか。
スマホを取り出す。ユノヒョンにさっき送ったメッセージを見る。既読はついていない。
 「あ~。」
僕は頭を掻きむしった。

本当にどうして僕はこんなにバカなんだろう。
ユノヒョンのことを鈍感と言う人がいるけれど、よっぽど僕の方が鈍感だ。ユノヒョンが、何を考えていて何をしたいと思っているのかに気付かないことばかりだ。
僕は、とぼとぼとリビングに戻った。そして雑誌を手に取って折り曲げられたページをめくった。
水族館や動物園、おいしい料理のお店には丸も付いてる。
 「ヒョン…。」
スマホをもう一度見た。やっぱり既読になっていない。
 「ユノヒョン…、どこにいるんですか?」
水族館?動物園?
僕は、ソファーに座り込んだ。時間は3時を回っている。休み2日目もあと半分…。
僕はため息をついて、目を閉じた。

*****
 「…みん。」
なに…?
 「…ろ、かぜ…、ちゃ…みん。」
うるさい、僕は今、自責の念でいっぱいなんだ。
 「チャンミン!」
肩をゆすられた。僕は目を開いた。
 「チャンミン、何でここで寝てんの?風邪ひくぞ。」
 「ヒョン…。」
そこには、目をきょろきょろさせたユノヒョン。
ユノヒョンは、ジャンパーを着てキャップをかぶっていて、帰ってきたばかりという格好だ。足元にはお気に入りのボストンバック。
 「ヒョン…。」
 「ん?…て、わっ!」
僕はユノの手を引っ張った。ユノヒョンが前のめりになって僕の方に倒れこんでくる。
僕は、ぎゅっとユノヒョンを抱きしめた。

 「おかえりなさい…。」

 「え?」

ユノヒョンは、不思議そうな声を出した。

 「おかえりなさい、ユノ…。」

 「あ…ただいま…。」

僕は少し力を緩め、ユノヒョンの顔を見つめる。そして…。

 「ん…。」

その唇を合わせた。ユノヒョンは一瞬、驚いたような表情をしたけれど、僕が舌でヒョンの唇を撫でると、薄く口を開き僕の舌を招き入れた。互いの舌先をつつき合い、絡め合い。
 「ん…ふっぅ…。」
深くなる口づけ。
ユノヒョンの鼻から息が漏れる。
 「ん…んん…。」
ユノヒョンが、とんとんと僕の胸をたたく。そっと唇を離すと、ユノヒョンは「はぁ…。」と、息を漏らした。
 
 「ど…したの?チャンミン…。」
たどたどしいしゃべり方のユノヒョン。そんなユノヒョンの頬を撫でて、再度告げた。

 「おかえりなさい。」

 「うん…、ただいま。」
僕は、ユノヒョンのキャップを取る。
 「ごめんなさい。」
 「え?」
僕の謝罪にユノヒョンはきょとんとした顔をする。
 「何で謝るの?」
 「一緒に旅行…行こうって言ってくれたのに…。」
 「ああ…。」
ユノヒョンは、今、分ったという表情をする。
 「別にいいよ。急だったし。」
ユノヒョンは、僕の頭を撫でる。
 「行ってきたんですか?旅行。」
 「うん。」
ユノヒョンはうなずく。ツキンッと胸が痛み、ユノヒョンから目をそらす。
 「…誰と?」
 「一人。」
 「え?」
僕は、思わずユノヒョンの顔を見る。ユノヒョンは、きょとんとした顔をして僕を見ている。
 「一人だよ。」
 「ユノヒョン、一人で旅行?」
 「うん、何、驚いた顔して。」
 「だって、ユノヒョンが一人でって…。」
 「行けるよ、俺だって。」
ユノヒョンはむすっとした顔をする。もちろん、ユノヒョンは大人だし一人で旅行ぐらいできることは分かる。でも、寂しがりなのに…、みんなでワイワイするのが好きなのに…。
 「ほら、チャンミンもよく一人旅してただろ。だからね、やってみたいなあって思ってたし。」
ユノヒョンは笑う。
 「ヒョン…。」
 「あ!お土産買ってきたよ。」
ユノヒョンは、僕の腕の中からするりと抜ける。そして、荷物の中から、がさがさとビニール袋を取り出す。
 「はい!チャンミンにはこれ。」
ユノヒョンは、動物園で買ったであろうクッキーを取り出し、僕に差し出す。
 「ありがとうございます。」
ユノヒョンはにこにこしている。でも…。
 「ユノヒョン…。」
本当は一人でなんて嫌だったでしょう。
誰かを誘ったのかな、それともそのまま一人で出かけたのかな。
聞きたい、でも聞けない。
僕はその質問をする代わりに、ユノヒョンを再度ぎゅっと抱きしめた。
 「ちょっと…チャンミン?」
 「ヒョン…、明日…、近くの水族館行きましょうか。」
 「え?」
 「一泊旅行はできないけど、デートしましょう。」
一緒に手をつないで…は、無理だけど。
 「何?チャンミン、珍しい。」
ユノヒョンは笑う。ユノヒョンの笑っている顔が好きだ。笑っている声が好きだ。笑顔を見られないことが、笑い声を聞けないことが寂しいって知っているのに、なんで僕はいつも彼にそうさせてしまうんだろう…。

 「帰ってきてくれてありがとうございます。」
 「何、それ…。」
 「3日間、会えなかったらどうしようかと思いました。」
 「もともと、一泊の予定だったし。」
 「丸してたお店、行ったんですか?」
 「何?見たの?」
 「ええ。」
 「お店は、チャンミンと行こうと思って行ってない。」
 「じゃあ、今度一緒に行きましょう。」
ユノヒョンはうなずく。
 「ねえ…。」
 「何?チャンミン。」
 「しよう?」
 「は?まだ、夕方だし。」
僕の言葉に、ユノヒョンがあきれたような顔をする。
 「今からやれば、明日、朝から出かけられます。」
 「いや、絶対ない!今からやったら朝までやり続けるだろ、お前。」
ユノヒョンが逃げ出そうとするから、僕はさらに力を入れて抱きしめた。いや、抱き着いた。
 「何ですか、人を獣みたいに。」
 「いつもそうだし。」
 「嫌なんですか?僕とするの。」
僕は、チュッとユノの首筋に唇を触れさせる。「ん…。」と小さくユノヒョンの唇から声が漏れ、体がピクリと動く。
 「嫌なわけないだろ…。本当は…旅先で…。」
ユノヒョンが顔を赤らめる。
それと同時に

ブチンッ

僕の理性は切れた。
 「ひゃっ!!」
 「早急にベッドに行きましょう!」
僕は、ユノヒョンを抱えて、キングサイズのベッドの置かれた寝室に向かった。

*****

ベッドにユノを下ろすと、まず、ジャンパーを脱がせる。
 「なあ、俺、帰ったばっかりなんだけど。」
 「そうですね。」
 「シャワー浴びたい…「そのままのユノがいいです。」…小腹がすいたん…「忘れさせてあげます。」…チャンミ…んっ。」
僕は首筋に口付け、そこから鎖骨へとキスを落としていく。

そこからはもうノンストップだった。

 「あん…っ、あんっ…。」
僕の上で飛び跳ねる裸体。揺れる白い胸。
 「ユノ…自分で動いて…気持ちいいの?」
腰を少し動かすと「やっ…。やっぁ。」と僕の動きに合わせて声を上げる。

 (やらしい…。)

もう止められなかった。
 「チャンミン…だめ!だめ!!あぁぁぁぁ。」


*****
 「もうこんな時間…。」
気付けば、6時間も経っていた。でも、夕方から始めたから、まだ日が変わったばかりだ。
 「でも、ほら、明日、出掛けられそうでしょ。」
 「何がだよ…、ああ、お腹すいた~。喉乾いた~。」
ユノヒョンはベッドに突っ伏する。その身体は何もまとわれていなくて、かわいいお尻が丸見えだ。僕はこくりと唾を飲みこみ、その双山を撫でる。するとぺしっと手をはたかれた。
 「触るな、もうしない!」
 「誰もするなんて言ってないじゃないですか~。」
 「撫で方がいやらしい!」
ユノヒョンはむくりと起き上がると、ベッドを降りた。
 「どこ行くんですか。」
 「シャワー浴びる。」
 「じゃあ、僕も…「お前はダメ!」え~。」
僕の不満の声に、ヒョンは振り返った。
 「明日、水族館行くの!」
そういうと、ずかずかとシャワールームに向かった。
 「萌え~。」
僕は、ヒョンのその言い方が可愛くて、そう呟くとベッドに寝転がった。

明日、水族館へ行こう。
手を握っては歩けないけど、並んで歩こう。
ユノヒョンはペンギンとかイルカとか、かわいいのが好きだから、きっとそこでしばらく動かないぞ。
ぬいぐるみが欲しいって言ったら、一番小さいのを勧めよう。でも、きっと一番大きいのが欲しいっていうから、間を取って中くらいのを買って帰ろう。
浮き輪をかぶったイルカとか好きそう…。浮き輪…。

「あ!ドーナツ。」

 「あれ?まだチャンミンそんな格好してるの?」
さっとシャワーを浴びてきたのか、僕が盛大に妄想していたのか、ユノヒョンの声に我に返る。

 「ヒョン、おかえりなさい。ドーナツ食べますか?」



END
















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今回はお忙しい中ご協力ありがとうございました!!








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COMMENT

なんとも健康的な男子二人で好みです。
会話のテンポも、チャンミンの水族館妄想も。

2017/04/06 (Thu) 02:37 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

723621mam様

コメントをありがとうございました。
とても嬉しいです。
二人が水族館にいったら、きっと彼女(ユノ)を待つ彼氏(チャンミン)が見られそうですよね。

2017/04/08 (Sat) 07:43 | セキ #- | URL | 編集 | 返信

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