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5…Momo in the rye #5 (王ロバ2 teftef様)

ありえない、ありえない、ありえない、

あのユノユノの超ブライベートスペース、バスルームにいる自分が信じられない。

ゆっくり風呂はいっといで、だって、
今日は泊まってっていいよ、だって、

紙に英語とハングル書きながら説明してくれたユノさんの話はわかりやすくて、
学校側で宿舎を用意してくれるサービスがあるとか、書類は親に送ったと言ったけど、ほんとはほとんど読めないで全部捨ててしまった俺は、今日、こんな状態になって、やっぱりちゃんと一回、勇気を出して、事務局と話した方がいいのかもしれないと思った。
親にたいしてごまかすために、あの母親の恋人の家に戻りたくない一心で、金はほとんどかからないからここに通わせてほしいと言うために、その場しのぎの嘘をついたり、ずっとびくびくして、逃げ回って、ループしていた思考がはっきりした気がする。
やっぱり、人間、睡眠と食事が足りてないってのは判断力おかしくなる。
ほんとにここに、ずっとこの場所にいたいのなら、親とちゃんと話さなきゃならないんだろう。

そんな冷静になった脳ミソとは別に、興奮がおさまらない。

めちゃくちゃいい人だ。

こないだ、アカデミーで会ったときも、
会ったときは衝撃でなにが何やらだったけど、
あの人の言葉を思い返すと、
思い返せば返すほど、
あの人は本当に優しい。

それに、
むっちゃ、


可愛かった。
かなり年上の、大先輩に、あれだけど、

丁寧に、何度も繰り返し同じ言葉を丁寧な発音で、俺が変なイントネーションで話しても笑わないし、小首をかしげてニコって、

あのこわもてのコンシェルジュスタッフもユノさんに声かけるときちょっと様子が違った。

カッコ悪く転んだ俺に手をさしのべてくれたユノ先輩、
仕事終わりだったのか、メイクしたままだったのかな、
顔ちっさくて、お人形さんみたいにまっしろで、肌つやつやで、多分酔っぱらってたんだろう目元がふんわり赤くて、彫刻刀で掘ったみたいにきれいな鼻筋、小さな唇がぷるんて濡れてて、
その、




「エロかった」
ざぱってお湯を掬って、おもわず呟いてしまったことを書き消すように、顔にばじゃばじゃかけた。

えろい、ってワードを男に当てはめるのに抵抗があったけど、一回頭の中のパズルがはまってしまうと、
もうあとは、問題のある表現が脳みそにあふれて、止まらない。

あきらかに男だけど、
美人で白くてやわらかそう、
画像や動画で見ていた印象の半分くらい細い、

その、
エロかった、
て、相手は高値の花、

ちがう、その前に男だから、って、
俺男もいけんのかな、

落ち着け、俺、落ち着け。

と呟きながら、まわりのセレブなインテリアを見回す。
さすが韓国トップの芸能人、ここ一週間お世話になっていたヌナの部屋も同じマンションだけど、間取り広さもなかのインテリアもぜんぜん違う、おふくろについていろんなとこ引っ越したから、若い男にこりたおふくろは最近は金持ちの男としか付き合わなくなって、金持ちの家結構見たことあるし。

ここにユノさん、はいってんのかな、
いつも、そりゃそうだ、ここに。
服脱いで、はだかになるのか、
当たり前だ、風呂なんだから。
そっか、はだか、は、はだ、

俺は首をブンブン振って、
下半身が鎮静しそうなこと、怖かったことを、トラブルを思い出そうとした。

あの清潔そなひとに悪く思われたくなくて言えなかったけど、ヌナがそういうつもりで、俺を拾ったんだって、俺はもちろんわかってた。

一週間前公園でまた警官に見つかって、未成年だろって追っかけられてもう公園にいくわけにもいかず、深夜までやってるカフェで一番安いコーヒーで三時間粘ってたら、隣に座ってたヌナが帰るとこないの?と声をかけてきて、ずっと野宿で疲れたまってたし、腹はすいてるし、ゆっくり眠るところがほしかった俺はついていき、その夜手を出さなかった俺に翌朝しらけた顔をしてた彼女が次の夜には枕元に避妊具をおいてきて、俺は観念して、安全なセックスをした。

だって、俺は童貞のホールデンと違って、ニューヨーク時代にその当時の彼女と経験を済ましてたし、しばらくそんなチャンスもなかったから、うてうてドンドンだったわけで、翌日から客用布団は敷いてもらえなくなって、これはこれでいいのかなんて思い始めてたら、

案の定、やばそうな状況証拠がでてきた。

伏せられた写真たてを見ようとしたら取り上げられたなんてソフトな出来事から始まって、ここに荷物入れてといわれたボックスの隣のボックスに入ってた明らかにアダルトな薄気味の悪いグッズとか、昨日はとうとう、真っ暗闇でしたときは気づかなかったけど、彼女の背中にあった小さな入れ墨を見てしまって、清楚な感じなのに、まあ、ほんとに清楚だったら、身元もよくわからない男を家に誘ったりしないんだろう。

これは長居はまずい、明日にはユースホステルに移動しよう、今日は荷物だけ取りに行くつもりで、おそるおそる連絡を取ったら、知らない男が電話に出て、あのスタッフに追い出されて、そんな現場にユノ先輩が現れたんだった。

こんな俺をユノ先輩に知られたくない。

関係ないのに完全に好意で、後輩だから、練習生だからかばってくれたに違いないユノさんに迷惑をかけちゃいけない。

ユノ先輩がかなり酔っぱらってて、俺の話をしっかり聞かなきゃって頑張ってるけど、会話の合間はちょっとぽうっとなってたし、うっかり後輩だってだけで俺みたいなの拾っちゃうくらい無防備だからって、


気があるとか思っちゃいけない。

先輩はアントリーニ先生じゃないんだから。





残念なことに。







自分の都合の良い妄想を広げて下半身の取り返しがつかなくなる前に、とざぱっと、バスタブから立ち上がり、貸してもらったいいにおいのするスエットを着て、リビングに戻ると、
「あー、よかったよかった、モモ、サンフンさんに連絡ついたよ。」
とほかほかの風呂上がりのピンク色のほっぺで先輩が振りかえって、俺がどきっとなってるのを勘違いしたのか
「あ、ごめん、呼び捨て、やだったか?」
きゅるん、って擬音つけたくなるような目で見つめないでください、
「ちがくて、あの、風呂はいったんですか、」
「うん、もひとつ風呂あるから、入ったよ、」

そいでさ、あ、画面見ちゃった方が早いな、と
とユノさんがサンフン先生からの返答メールを見せてくれて(距離が近い)、
そこに書かれていた内容はびっくりするような内容で、
俺はアカデミーのオーディションを受けてスターライトアカデミーに入学していたつもりだったけど、実は途中からスカウトされた形になっていたんだそうだ。
だから、学費が免除されていたのは奨学生だからではなく、タレントとして採用されていたんだと書かれていて、俺はあんぐりと口を開けた。

うちの事務所では結構そういう例あんだよ、説明したって言ってるけど、これは事務局のミスだな、もう入学して一ヶ月過ぎてんだから、ごめんなあいい加減な会社で、
と先輩が笑って、

「え、俺、俺は、あの、」
俺がブルブル震えて驚愕しているのを
ユノ先輩は急かさず、見守ってくれている。
「俺、チャンミンさんに似てるから、」
「うん?」
「オーディションでそっくりだって言われて、だからアカデミーはいれたのかなって、」
もごもご何度もつっかえながら、俺が俺自身の実力とかじゃなくて、まぐれで、しかも、チャンミンさんがいないから、それで入れたのかなと思っていたと話したら、
ユノ先輩はゆっくりと首を振って、
「そんな風に思う必要はないよ。」
誤解のしようのないはっきりした言葉で返された。
「俺もサンフンさんとかから、作曲を応募してきた面白いやつがいて、てモモのこと聞いてたよ。あいつらは冗談が好きだから君に誤解させるようなことを言ったのかもしれないけど、チャンミンに似てるからって入れるほど、この世界甘くないよ。」
「モモがスカウトされたということは、もう君は俺のライバルなんだから。」
「ライバル?」
「そう。」

突然の展開に、ソファにへたり込んだ俺の前にユノ先輩が膝立ちして、一生懸命、身ぶり手振り、夢中になって、俺を励まそうとしてくれる。俺みたいなのに一生懸命になって。膝の上にあった俺の手を両手でぎゅっと握りしめて、
「モモ、がんばれ。」
「は、はい、」
な、明日は俺もいっしょに事務局いってやるから、
マネヒョンにも早めに迎えに来てくれって言ってあるから、な。

はい、はい、とうなずく俺の濡れた髪の雫がユノ先輩の白い頬に飛んで、
冷た、って顔で片目を閉じて、
俺があ、すいません、と手を伸ばして拭おうとすると、優しく払われて、
いいよ、って先輩が自分の手を頬に持っていったのを、両手で顔を挟んだら、先輩の真っ黒い大きい黒目がきょと、っとこっちを見て、
濡れた黒髪と、赤い小さい唇、風呂上がりのいい匂いにうっすらアルコールの匂いも混じって、童貞喪失のときに酒を飲んで勢いをつけた思い出のある俺にとっては最高にやばくて、

こんなに一生懸命になってくれるなんて、勘違いするには十分すぎて、

俺の手から逃れようと後ろに体を引いて、ふらついたユノ先輩を支えようとしたら、二の腕が柔らかくて、つい、抱き締めてしまったとして、誰が俺を責められるだろう。









つづきはこちら→#6
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