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【ゆのみん企画】ひと夏の夜の夢 #3

僕達は走り続けて相手を巻きながら隣接する施設のプールに迷い込む。
プールサイドの向こうは海だった。多分。
真っ暗で何も見えないけれど波の音が聞こえてくる。
ユノはその塀を覗くと僕を振り返って言った。


「飛べ。」
「はぁ?」


ここまで来てまだ無茶をする気か?


「早く見つかるぞッ。」


誰のせいだ。
逃げてんのは。


その目の前でユノはひらりと塀を越えて飛び降りた。
着地した音。
もしかして意外と高いんじゃないですか?
マジか。


僕は渋々塀を乗り越え様と下を見る。
下は真っ暗。


えーい。
飛んじゃえ。
飛び降りるしかない。


やっぱり意外に高かった。
無事着地をしてユノは?と思ったら、暗がりから「わっ!」って驚かされる。
不覚にも「わーッ!」と驚いた。


「あはーはーはーはー!!」
「何やってんですかッ!!」
「しーしー。見つかっちゃうよ。」
「あんたがッ!!!」


イーライラするッ!
この男ッ!!!
あぁ。又ヒョンに向かってすみません。
でもイライラするな。


「しーしー。」


ユノはそう言ってプールの塀に凭れて座り込んだ。
砂地の向こうはきっと直ぐ海だ。
暗がりに波の音と潮の香りがなんとも言えない。


「あーーーー焦った。」
「だから言ったんですよっ。」


僕はユノの横に腰を下ろす。
はぁ。
疲れた。


「まぁ~一瞬だったし写真とか撮られてないだろうから大丈~夫。」
「全っく。」
「チャンミンだってその気だったじゃん。」
「だからあんたがッ!」
「あはーはー。それにしたって酷いよね。男がいるくせにさー。」
「あんたがひかかってアホなんですよ。」
「非常識だよ。」
「あなたに言われたかないですよ。あの人たちも。」


大の男を背負い投げしちゃって。
追いかけられるって常識がどこにある。
それでも高らかにユノの笑い声が響くだけだった。


本当に呆れる。


あ~なんだもう。


「海って言えば花火だな。」
「僕とあなたで?冗談でしょ?気持ち悪い。」
「え~?ww」


なんで男と二人で波打ち際で花火。
切ない以外の何者でもない。


空を見上げれば薄暗い月。


暗闇に見慣れてくれば辺りも見えてきた。
そしてユノの顔も。


「あ~。体温だけ上がっちゃった感じ。」
「ですね~。」


確かに完全にやる気だった。
ユノが言っていたのは間違いでもない。
何とも言えず物足りなくて虚無感だけが残った。


「この際チャンミンでもいいかなッ!」
「はっ?!」


そう言って笑いながらじゃれつくユノに僕の声は裏返っていた。



何がいいんだ?



一体何がいいいんだっ!!!




アホかっ。
あぁ。またヒョンに向かって。すみません。




















つづく。

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【ゆのみん企画】第69回「Sweat/Answer」

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